小規模事業者持続化補助金の第20回公募では、インターネット広告やSNS広告の経費区分が変わりました。広報費には上限が新設され、ウェブサイト関連費の上限も変更されています。
では、ホームページ制作とSNS広告を組み合わせる場合はどうなるのか。LINE公式アカウントやエルメッセージの月額費用は、どの経費で考えればよいのか。支援の現場で使う場面を想定し、10月20日に事務局へ電話で確認しました。
確認した背景
私は販路開拓や販売促進の支援で、新しいお客様に見つけてもらうためのGoogleマップの改善や、固定客化に向けたLINE公式アカウント、エルメッセージの導入・活用に関わっています。事業者さんの取り組みに役立つなら、補助金の活用も選択肢としてお伝えしたいと考えています。
もう一つのきっかけは11月9日に栗東市商工会で担当する「AI×事業計画策定セミナー」です。第20回への申請を考えている方も参加されると想定し、セミナーとその後の個別支援に向けて、経費の考え方を改めて確かめておきたいと思いました。
第19回から変わったこと
広報費とウェブサイト関連費は第19回にもあった区分です。インターネット広告やSNS広告も、当時から補助対象の例に含まれていました。今回の変更は、これらの広告がウェブサイト関連費から広報費へ移ったことです。
ウェブサイト関連費の上限は第19回の「補助金交付申請額の4分の1、最大50万円」から、第20回では30万円(税込)になりました。広報費にも今回、30万円(税込)の上限が新設されています。いずれも支出する経費そのものではなく、その区分で申請する補助金額の上限です。
広報費だけで申請できないという制限も、今回新設されました。ウェブサイト関連費だけで申請できない点は従来どおりです。
なお、特例による上乗せがない場合の補助金全体の上限は50万円です。二つの区分が各30万円だから、合計60万円を受け取れるという意味ではありません。
ここまでは公募要領で確認できる内容です。以下は第20回の一般型・通常枠について、商工会議所地区の事務局へ電話で確認した内容になります。
確認1 ホームページ制作とSNS広告の組み合わせ
ホームページを作り、SNS広告などでそこへ誘導して、予約や購入につなげる。この取り組みを、ウェブサイト関連費と広報費の組み合わせで申請できるかを尋ねました。
回答は両方の経費を組み合わせて申請可能というものでした。ほかに機械装置等費を入れなければならないということではありません。
ただし、これは経費区分の組み合わせについての確認です。経営計画に基づく販路開拓等の取り組みとして、個々の支出が対象になるかは別に判断されます。採択を保証する回答でもありません。
なお、写真や動画の制作費も、用途によって費目が分かれます。公募要領では、広告用は広報費、自社ホームページやECサイトで使用するものはウェブサイト関連費に整理されています。同じ素材を両方に使う場合は、計上方法を事務局に確認してください。
確認2 LINE公式アカウントなどの月額費用
次に尋ねたのは、LINE公式アカウントやエルメッセージの利用にかかる月額費用です。新たな販路開拓のために、顧客管理、予約受付、新商品の情報発信などに使う計画として説明しました。
回答は説明した使い方であればウェブサイト関連費の対象になり得るというものでした。ただし、審査で内容を確認したうえで、別の経費区分での申請を求める可能性もあるとのことです。
公募要領には顧客管理システムや販路開拓等のための特定業務用ソフトウェアなどが例示されています。一方、一般事務用ソフトウェアや、既に導入しているソフトウェアの更新料は対象外の例です。
LINE公式アカウントやL Message(エルメッセージ)も、用途・機能・料金の内容に沿って個別に確認する必要があります。サービス名だけで一律に対象としたり、既存サービスの継続費用をすべて更新料として対象外と決めたりはできません。
また、同じLINEを使う費用でも、広告の出稿費、サービスの利用料、追加メッセージ料金では、費用の内容が異なります。今回の電話回答が、これらすべてに当てはまるとは限りません。対象になるか、どの費目に計上するかは、用途や契約内容、料金の内訳を示して確認してください。
月額・年額契約では、対象となる期間にも注意が必要です。契約が補助事業期間を超えるソフトウェア使用権は、按分などで算出した補助事業期間分だけが対象とされています。原則として、交付決定前に発注・契約・支払いをした経費は対象外で、補助事業期間内に支払いを完了する必要があります。
申請前に確かめたいこと
今回の確認は広告で知ってもらい、ホームページやLINEで予約・購入につなげる取り組みを考える際の参考になります。ただ、Googleマップの改善を含め、私が支援しているサービスの費用すべてについて、対象と確認したわけではありません。
申請を検討する際は、誰に何を届ける取り組みなのか、そのためにどの機能を使い、どの費用が発生するのかを具体的にしたうえで、経費区分や対象期間を確かめる必要があります。
電話での回答は今回説明した用途を前提とする2026年10月20日時点の商工会議所地区の案内です。商工会地区の個別の扱いまで確認したものではありません。公開内容が変わる可能性もあるため、FAQなども公開後に確認します。申請にあたっては最新の公募要領とご自身の計画をもとに、商工会地区の方は地域の商工会へ、商工会議所地区の方は該当する窓口へ確認してください。
参照資料
- 小規模事業者持続化補助金 一般型・通常枠 第20回公募要領 第8版 https://r6.jizokukahojokin.info/doc/r6_koubover8_ip20.pdf 広報費・ウェブサイト関連費(写真・動画の制作費の区分を含む)は13〜15ページ、補助上限は3・7ページ、経費の発生・支払時期は12・19ページ。
- 同 第19回公募要領 第6版 https://r6.jizokukahojokin.info/doc/r6_koubover6_ip19.pdf 比較した経費区分は12〜14ページ。
- セミナー・研修案内 https://oka-pi.com/seminar/ 11月9日の栗東市商工会のセミナーは「今後の登壇予定」に掲載しています。